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中国西部（内陸部）に位置する青海省では、将来の基幹産業として豊富な自然と文化資源を活用した観光産業振興が省の開発方針の一つとして掲げられ、実際的かつ総合的な観光開発計画の策定が求められていた。本調査は、重要な開発課題として①脆弱な自然環境への配慮、②観光産業振興策の強化、③人材育成の3点に留意し、青海省における生態環境及び社会環境に配慮した持続的な観光開発の実現に向けた観光開発基本戦略を策定することを目的とした。調査実施にあたっては、現地カウンターパート（C/P）に対する技術移転や能力開発、観光に係る人材の育成を特に重視した。
　青海省全域を対象とする観光開発の基本戦略及び環西寧圏（西寧市を中心とする半径約150kmの環西寧旅遊区）を対象とした総合観光開発計画を策定し、実現可能性調査（F/S調査）を実施した。また、環西寧圏で観光施設の集積が必要とされる14の優先候補地区から、F/Sの対象とする3つの優先プロジェクトを選定した。各優先プロジェクトに対して開発基本方針や開発コンセプトを示し、施設開発概略設計や運営・維持管理計画、観光振興プログラム、環境融合施策・体制、事業実施・管理体制と手順・手続きについて提案を取りまとめた。