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フィリピンは7,000以上の島々からなる島嶼国であり、社会経済の成長において海上輸送が重要な役割を果たしている。フィリピン政府は密輸、違法漁業、テロリズム等、海上管理上の課題に直面している。運輸省（DOTr）所管のフィリピン沿岸警備隊（PCG）は海上の安全、救助活動および法執行を管理しているものの、その広範にわたる任務遂行に必要な船舶が不足している。こうした問題に対処するため、日本の融資を受けた「フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力向上事業」が立ち上げられ、PCGの能力強化のため多目的対応船（MRRV）の提供を目指すこととなった。

PADECOの担当業務には、配線、電力システム、通信機器等の電気工学に係る作業に着目した10隻のMRRV建造および納入管理が含まれ、電気設計のレビュー、船舶建造中の品質安全確保、設計および船舶インターフェースに関する技術的調整業務が実施された。また入札評価、契約書作成、DOTr・PCG・JICAの各要件を満たす契約内容確保に係る支援も行われた。PADECOはプロジェクトマネジメントオフィス（PMO）、DOTr、PCG、および地元の下請け業者との連絡を取りながら、行政支援、文書レビュー、是正措置の提言、プロジェクト実施の円滑化を行った。